美食の街リヨン滞在も今日が最終日である。自分なりにはであるが、この街ならではの郷土料理を出来るだけ味わいたいという思いで何件かブションに入ってみたがリヨンに来て絶対にマストで外しちゃ行けないメニューがあるそれがクネルである。
クネルとは昨日も説明したが
肉・魚などをすりつぶし、卵・パン粉・調味料などを加えて球状や円筒形に形づくり、ゆでたり蒸したりしたものである。
そのクネルの本当の美味しい店を探すべく私はこの2日間店を調べまくったのである。その店は旧市街にあるRestaurant cafe de soleilという店だ。
ここは伝統的なクネル料理から鶏を使ったクネルだったりと多種多様なクネルがメニューにあり、正に本気でクネルを食べたい方にはもってこいのお店なのだ
中に入るとまだ開店して間もないので2組しか入って無かった。
今日は27eのコースで
entree 牛鼻、仔牛の足、レンズ豆のサ ラダ
plat クネル アメリケーヌソース
fromageセルヴェルドカニュ
今日のメニュー3品も
ここリヨンでしか食べれ無い郷土料理だ。
前菜の牛鼻、レンズ豆、仔牛の足のサラダこれは店によってはサラディエリヨネと呼ばれるどんぶりにたっぷり入ったものを5つくらいドーン!とテーブルに置かれ、それを好きなだけ取って食べるリヨンを代表する郷土料理だ。牛鼻も仔牛の足もコリコリしていて、柔らかいレンズ豆とのアクセントになり、酸味の効いたヴィネグレットとコルニションが全体の味を引き締めていた。これも日本だと食べれる所が少ない。多分知らない部位だから抵抗があるのだと思う。
クネルはどでかい180gほどの楕円型をした物がグラタン皿に入って出てくる。ソースはアメリケーヌを生クリームで伸ばした物だフワフワしていて、一番的確な表現はブータンブランの魚バージョンといった所で、あまり魚感が感じられ無いのが少々残念ではあるが、今迄知らなかったクネルが明らかになった感動は格別な物であった。クネルが食べ終わるとギャルソンはデザートかチーズの黒板メニューを出してきて、迷わずセルヴェルドゥ カニュを注文した。
セルヴェル ドゥ カニュこれはフロマージュ・ブランを使った料理で、セルヴェル・ドゥ・カニュcervelle de canut、直訳すると《絹織り職人の脳みそ》だ
この名前の由来はかつてリヨンの主要産業であった絹織物を作っていた職人たちが、好んで食べていたからで、これは水切りしたフロマージュ・ブランにエシャロット、シブレットなどのハーブ、にんにくなどを混ぜ、塩、こしょう、ワイン酢、オリーブ油で調味したもので、リヨンのビストロでは必ずと言いほどおいてあるのだ、少々塩味が弱めで酸味が強いのでヨーグルトのようであったが絞めの一皿にふさわしい一品であった。
時間が13時を回ると人気店らしく満席になり、ここで食べれた事を非常に嬉しく感じた。
その後今日でリヨンでは食べ納めという事もあって夜には、もう一件ブションに行く事にした。店の開店が19時だったがその15分前にまたしても、ニースに続いて豪雨の歓迎を受ける。
お店の場所は昨日の昼間ランチをしたマロニエ通りのchez mounierというお店だ
店内に入るとまだ19時でopenしたばかりにも関わらず、既に7割方埋まる、この店はなんと言っても写真のマダムの接客が素晴らしい、常連、一見関わらず接客的にコミュニケーションを取り絶妙な距離感で店を盛り上げていた。
そして、メニューに注目だ!
前菜、メイン、チーズ、デザート、パンが付いてなんと14.5eだ。フランスに来てからno1のコスパを誇る。
今回は
前菜
レバーのケーキ トマトソース掛け
メイン
アンドゥイエット
チーズ
サン マルスラン
デセール
ガトー ショコラ
とモルゴンのポ リヨネを注文
少し余談だが、フランスに来て本当に言葉に苦労するが…。
食事に関してはメニューがスラスラ読めて寧ろ観光名所を回るより、レストランの黒板を読むのが楽しくてしょうがない。
これは仕事でも常に意識的にフランス語を読み書きしてた賜物である、ここで凄く役立つのは本当に嬉しい。
そのおかげでフランスの食がより身近に感じる、レストラン、ブーランジェリーパティスリー等の飲食店に入って品物を選ぶ瞬間はこの国に来て何よりも一番楽しい瞬間でもある。
料理を説明するとフォワグラのケーキは鶏レバーのガトー仕立てで
ガトーとはフランス語でケーキ、お菓子と言う意味で鶏レバーをお菓子を作るように仕立てた料理だ
本当こういう表現をしたら怒られるかもしれんが鶏レバーで作ったハンバーグにトマトソースを掛けたような料理だ。
この店では四角で出てたが私自体も初体験だったが、ヘェ〜!!な感じで一見何故?トマトソースと言う印象だったが寧ろトマトソースのお陰でレバー臭さを中和して非常にバランスが良かった。
アンドゥイエットは豚モツのソーセージだ、リヨンではアバ(内臓)料理が非常に食される、これは大戦中に食料難が続いて、捨ててしまう食材を苦肉の策で美味しく作る為にどうしたらいいかと、考えたら、凄く美味しかった的な料理だ、グリエしたアンドゥイエットにマスタードソースを合わすがこれも初体験の味だがこれは旨い!!!ホルモン好きには大推薦でこのアイデアは頂きだ。因みにジャガイモの付け合わせはドフィノアと言ってこれもリヨンの郷土料理だ
この時点で既にお腹が一杯だが
畳かける様に今度はチーズが出てくる。
サンマルスランとはリヨンのあるローヌ地方で作られてるチーズだとても風味もおだやかで食べやすく白かびの苦手なかたも食べやすい逸品だ。これもそこそこな量が出て来る。
最後のガトーショコラは濃厚さの中に素朴さがあり美味しく頂いた。
リヨン最後の食卓に相応しく大、大、大満足な夜だった。
以上3日に渡って観光はほぼ無視で、リヨンのブションを勉強し体験したが、こんな貴重な時間を作れて本当に良かったのと、これからの店作りに大きな影響を受けるだろうと確信している。
いつかまたリヨンには是非足を運びたい。
今日の1曲
Coular cafe / Serge Gainsbourg